四面楚歌(しめんそか)の由来・使い方とは?イラストでわかりやすく解説

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「四面楚歌」の読み方は「しめんそか」、意味は「周囲がみな敵だらけであること」です。

この記事では、「四面楚歌」の由来と使い方をくわしく紹介します。

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「四面楚歌」の意味と由来

「四面楚歌」の正しい言葉遣いをマスターしましょう。

読み方と意味

ことば四面楚歌
読みかたしめんそか
意味周りがみな敵だらけであること

「四面楚歌」は自分だけ孤立した状態を表します。

詳しい使い方は「四面楚歌の使い方」をご覧ください。

「四面楚歌」の由来

紀元前200年ごろ、項羽と劉邦の戦いが起こりました。

項羽は「楚」の国、劉邦は「漢」の国の王様です。

項羽と劉邦の戦い

この戦いは、「項羽と劉邦の戦い」と言われ、とても有名な戦いです。

どちらも強い国だったのですが、この戦いは劉邦が有利に戦いを進めます

劣勢に立たされた項羽は、わずかな仲間と連れて垓下がいかに逃げ込み、そこで陣を組みました。

当然、劉邦もそれを追いかけます。

項羽

これがもう最期の戦いだ

最期の勝負に望みをかける項羽ですが、劉邦が率いる大群は項羽たちを囲んでしまいます。

劉邦

これでもう逃げれまい
項羽と劉邦の戦いの情勢

周囲を囲まれ、圧倒的優位を気づいた漢の兵士たち。

ここで劉邦が仕掛けたのは、とても知的な作戦でした。

劉邦

漢の兵士たちで、楚の国の歌を歌おう

彼らはここの状況で、あえて敵国である楚の国の歌を歌ったのです。

それを聞いた項羽はこのように思いました。

項羽

なんだ…?周りから楚の国の歌が聞こえる。

項羽

まさか…楚の兵士たちが私の敵になったのか?

突然聞こえてきた歌声にびっくりした項羽は、味方だったはずの楚の兵士たちが漢軍へ寝返り、歌を歌っているのだと勘違いしてしまったのです。

劉邦

これが私の作戦なのだ

項羽

なんてことだ…もう自分の周りはみな敵ばかりだ…!!
四面楚歌の由来

こうして自分の負けを悟った項羽は降参し、「項羽と劉邦の戦い」は劉邦が勝利をおさめました。

このストーリーから、周りがみな敵になってしまうことを「四面楚歌しめんそか」というようになりました。

劉邦

ちなみに、遠征疲れの楚国の兵士に楚の歌を聞かせることで傷心を誘い、戦意喪失させる狙いもあったぞ。

発祥起源

四面楚歌の起源

四面楚歌の由来となるストーリーが起こったのは、紀元前202年のことです。

紀元前206年に秦が滅び、その4年後のことでした。

この戦いに勝利した劉邦が前漢を立ち上げました。

「四面楚歌」が収録されているのは『史記』項羽本紀です。

「四面楚歌」の使い方・例文

四面楚歌は、次のような使い方をします。

先週の会議で私は反対意見をあげたが、誰1人として私の意見に賛成してくれず、まさに四面楚歌だった。

大学受験に失敗し、親からは将来を問い詰められ、先生からは期待を裏切られたと失望され、友達からは小馬鹿にされ、今の私はもう四面楚歌の状態だ。

「四面楚歌」の類義語

「四面楚歌」の類義語は以下の3つがあります。

  • 孤立無援
  • 孤軍奮闘
  • 八方塞がり

「四面楚歌」の類義語①孤立無援

ことば孤立無援
読み方こりつむえん
意味たった1人でいるのに、誰も助けてくれないこと

「四面楚歌」の類義語②孤軍奮闘

ことば孤軍奮闘
読み方こぐんふんとう
意味1人で必死に戦うこと

「四面楚歌」の類義語③八方塞がり

ことば八方塞がり
読み方はっぽうふさがり
意味考えられる全ての方法が塞がれてしまう、どうしようもなくなること

「四面楚歌」の書き下し文と現代語訳

「四面楚歌」は中国の漢文を基に作られたことわざです。

次は、漢文とその書き下し文で「四面楚歌」のストーリーをみていきましょう。

白文

四面楚歌の漢文


引用:『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

漢文・現代語訳

>>読み飛ばす

項王軍壁垓下。
項王の軍垓下に壁す。
項羽が率いる軍勢は垓下の城にたてこもった。

兵少食尽。
兵少なく食尽く。
兵の数が少ない上に、食料も残りわずかとなった。

漢軍及諸侯兵、囲之数重。
漢軍及び諸侯の兵、之を囲むこと数重なり。
漢の軍勢とそれを指示する国々の軍勢は、その城を何重にも包囲した。

夜聞漢軍四面皆楚歌、項王乃大驚曰、
夜漢軍の四面皆楚歌するを聞き、項王乃ち大いに驚きて曰はく、
夜に漢の軍勢がその歌を歌うのが司法から聞こえ、項羽はとても驚きて次のように言った。

「漢皆已得楚乎。
「漢皆已に楚を得たるか。
漢はすでに楚を手に入れたのだろうか?

是何楚人之多也。」
是れ何ぞ楚人の多きや」と。
漢軍のなかにこんなに楚の人間がいるなんて

項王則夜起飲帳中。
項王則ち夜起ちて帳中に飲す。
項羽は夜に起きて、本陣の中で宴を開いた。

有美人、名虞。
美人有り、名は虞。
虞という名前の美人もその中にいた。

常幸従。
常に幸せられて従ふ
虞はいつも項羽に愛され、そばに付き添っていた。

駿馬、名騅。
駿馬あり、名は騅。
騅という名前の駿馬もあった。

常騎之。
常に之に騎す。
項羽はいつもこの駿馬に乗っていた。

於是項王乃悲歌忼慨、自為詩曰、
是に於いて項王乃ち悲歌忼慨し、自ら詩を為りて曰はく、
項羽は感情を奮い立たせ、自ら歌を作って次のように詠んだ。

力抜山兮気蓋世
力は山を抜き、気は世を覆う
私の力はかつて山を引き抜き、気力は天下を覆うほどであった。

時不利兮騅不逝
時利あらずして騅ゆかず
しかし今の私にそのような勢いはなく、騅はもう進もうとしない。

騅不逝兮可奈何
騅のゆかざるを如何すべき
騅の止まる足をいかにして動かせられようか?いや、そんなことはできない。

虞兮虞兮奈若何
虞や虞や汝を如何せん
虞よ、虞よ、お前をどうにかしてやれるだろうか?いや、できない。

歌数闋、美人和之。
歌ふこと数闋、美人之に和す。
項羽が数度にわたって歌うと、虞はこれに答えて歌った。

項王泣数行下。
項王泣数行下る。
項羽はいくすじかの涙を流した。

左右皆泣、莫能仰視。
左右皆泣き、能く仰ぎ視るもの莫し。
項羽の側近を務める者もみな泣き、項羽を直視できる者はいなかった。

参考:
『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社
鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店

「四面楚歌」を英語で言うと

四面楚歌の英語


四面楚歌の英語表現には、以下の3つがあります。

  • Dead-end
  • with enemies on all sides
  • with no way out

英語の言い換え①

Dead-end
行き詰まり

dead-endは、英語で「行き詰まりであること、これからの道筋が見えないこと」という意味を表す固定表現です。

英語の言い換え②

With enemies on all sides
敵があらゆる方角にいる

これは固定表現ではありませんが、「周りが敵だらけであること」を英語に訳した表現です。

四面楚歌を英語に直訳したフレーズとしては、これが一番ぴったりきますね。

英語の言い換え③

with no way out
なす術がない

こちらも「with」を使ったフレーズです。

四面楚歌は周りが敵だらけであることを意味するので、完全に同じ意味ではありません。

ただ、周りが敵だらけでまいってしまったという意味で「四面楚歌」を使うときには、この英語が一番ぴったりきますね。

「四面楚歌」を中国語で言うと

中国語四面楚歌
ピンインsì miàn chǔ gē
カタカナスーーミエンチューグー

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