塞翁が馬(さいおうがうま)の由来・使い方をカンタンに解説

塞翁が馬(さいおうがうま)の由来・使い方をカンタンに解説

yuki

「塞翁が馬」の読み方は「さいおうがうま」、意味は「人生の幸福と不幸はどのような巡り合わせをするか予測できないこと」です。

この記事では、「塞翁が馬」の由来と使い方をくわしく紹介します。

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yuki

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プロフィール

福岡県出身、東京都在住
YouTube、SNSを使って中国語を学ぶ。weiboでは半年で1000件以上のコメントのやり取りをし、独学のスタイルを確立。その後本格的に勉強をはじめ、中検2級一発合格、HSK6級223点取得。2019年上海へ留学し、中国語と中国文化を学ぶ。
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「塞翁が馬」の意味と由来

「塞翁が馬」の正しい言葉遣いをマスターしましょう。

読み方と意味

ことば塞翁が馬
読みかたさいおうがうま
意味人生は吉凶・禍福が予測できないことのたとえ。
引用:広辞苑

「塞翁が馬」は、主によくないことが起こった時によく使われます。

詳しい使い方は「塞翁が馬の使い方」の項目をご覧ください。

「塞翁が馬」の由来

「塞翁が馬」の由来は「淮南子えなんじ」という古書に記されています。

昔、塞翁さいおうと呼ばれるおじいさんが住んでいました。彼は占い師として有名であり、人々を集めては次に起こるであろうことを占っていたと言われています。

あるとき塞翁が飼っていた馬が脱走してしまい、それを心配した村人は塞翁の家に集まりました。

村人

塞翁、どうか気を落とさないでください。

しかし、塞翁は落ち着いていました。

塞翁

これはきっと幸運の前兆なのだ。

塞翁はきっと現実逃避しているのではないか…村人たちは心配しますが、塞翁は心の底から幸運の兆しを感じていたと思われます。

すると数ヶ月後、逃げた馬は斎王の元に帰ってきたのです。しかも立派な駿馬しゅんめを連れてきました。

つまり塞翁は以前買っていた馬と新しい優秀な馬、合わせて2頭を手に入れたのです。

村人

塞翁、よかったですね!

塞翁

いや、これはきっと次に恐ろしいことが起こってしまう。

普通では考えられない幸運が起こったのに、塞翁は悲観していました。

すると間も無く、その予言は的中します。

塞翁の息子が落馬して、足を骨折してしまったのです。あまりに駿馬を気に入った息子が、喜んで乗馬したときにその悲劇が起こったと言われています。

足を折った息子はろくに歩くこともできなくなってしまいました。

村人

大変なことになった…どうかお大事になさってください…

塞翁

いや、悲観することはない。これはきっと幸運なのだ。

愛する息子が骨折したというのに、塞翁は幸運だと言い張ります。

さすがの村人も、これには全く共感を示せません。ところが塞翁には幸運と不幸のくり返しが見えていたのでしょう。

時は流れ一年後、この地域は戦争に巻き込まれます。隣国の胡人が大軍を連れて国境に攻め入ってきたことが原因です。

この村に住む男子はみな戦争へかり出され、そのほとんどが戦死してしまいます。ところが塞翁の息子は足を骨折していたため兵役をまぬがれ、親子ともども戦争から生き延びることができました。

塞翁

人生とは、不幸と幸運が巡り合っているものなのだ。

「塞翁が馬」とはこのように、幸運と不幸が交互に起こるエピソードを元に生まれた言葉です。

古文では「が→の」という置き換えができるので、現代的に考えると「塞翁が馬」の意味は「塞翁の馬」となります。

このエピソードのきっかけとなった馬を例に出すことで、「人生は良いことと悪いことが廻りあわさあるものだ。一つ悪いことが起こったからと言って落ち込みすぎる必要はないよ」という言葉が生まれました。

発祥起源

塞翁が馬の起源の時期
「塞翁が馬」由来となったエピソードが起こったのは、前漢の時代です。(紀元前206年〜西暦8年)

「塞翁が馬」を収録した淮南子えなんじは、前漢の武帝の頃、淮南王劉安が学者を集めて編集させた思想書です。

「塞翁が馬」の使い方・例文

人間万事塞翁が馬
「塞翁が馬」のもっとも有名な使い方は、人間万事塞翁が馬という言葉です。

ことば人生万事塞翁が馬
読みかたにんげんばんじさいおうがうま
意味人生は吉凶・禍福が予測できないことのたとえ。
引用:広辞苑

※「人間万事」は「じんかんばんじ」と読む場合もあります。

「人間万事塞翁が馬」の使い方

yuki

そんなに落ち込んで、どうしたの?
それがね、楽しみにしてたライブの抽選に外れちゃったんだ…

yuki

それは残念…でも人間万事塞翁が馬っていうじゃない、きっとその日はいいことが起こるよ。
MEMO
「塞翁が馬」は基本的に、あまり良くないことが起こったけどポジティブな結果になるという意味でよく使われます。

「塞翁が馬」の類義語

「塞翁が馬」の類義語は以下の3つがあります。

  • 禍福は糾える縄の如し
  • 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
  • 憂えあれば喜びあり

「塞翁が馬」の類義語①禍福は糾える縄の如し

ことば禍福は糾える縄の如し
読みかたかふくはあざなえるなわのごとし
意味より合わさったなわのように、人生の幸運と不幸はわるわるやってくるものだ。

「塞翁が馬」の類義語②沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり

ことば沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
読みかたしずむせあればうかぶせあり
意味川の瀬(水面の高さ)が上下するように、人生も浮き沈みするものだ。

「塞翁が馬」の類義語③憂えあれば喜びあり

ことば憂えあれば喜びあり
読みかたうれえあればよろこびあり
意味憂い(かなしいこと)の後には喜びがある。人生はそのくり返しだ。

「塞翁が馬」の書き下し文と現代語訳

「塞翁が馬」はもともと中国で生まれたエピソードをもとに作られた日本語です。

次は「塞翁が馬」の元となった中国の古文をみてみましょう。

白文

塞翁が馬の漢文
引用:淮南子

中国語のまま読んでみたよ!

漢文・書き下し文・現代語訳

読み飛ばす>>

近塞上之人、有善術者。
塞上に近きの人に、術をくする者有り。
国境付近に住み、占いをよく知る者がいた

馬無故亡而入胡。
馬故無くしてげてに入る。
彼の馬が突然脱走し、胡の国(敵対中の隣国)へ入ってしまった。

人皆弔之。
人皆之をちょうす。
人々はみな彼の不幸を慰めた。

其父曰、
其のはく、
その老人は次のように言った。

「此何遽不能為禍乎。」
「此れ何遽なん福とらざらんや」と。
このことがどうして幸福にならないだろうか?いや、きっとなるのだ。

居数月、其馬将胡駿馬而帰。
居ること数月、其の馬胡の駿馬をひきゐて帰る。
数ヶ月が経ち、その馬は胡の国の駿馬を連れて帰ってきた。

人皆賀之。
人皆之を賀す。
人々は皆このことを祝福した。

其父曰、
其の父曰はく
その老人は次のように言った。

「此何遽不能為禍乎。」
「此れ何遽なんぞ禍と為るあたはざらんや」と。
これがどうして災いにならないだろうか?いや、きっとなるのだ。

家富良馬。
家良馬に富む。
老人の家は良馬に恵まれた。

其子好騎、墮而折其髀。
其の子騎を好み、堕ちて其の髀を折る。
老人の息子は乗馬を好み、落馬して太ももの骨を骨折した。

人皆弔之。
人皆之をちょうす。
人々は皆この出来事を哀れんだ。

其父曰、
其の父曰く、
老人は次のように言った。

「此何遽不為福乎。」
「此れ何遽ぞ福と為らざらんや」と。
このことがどうして幸福にならないだろうか?いや、きっとなるのだ。

居一年、胡人大入塞。
居ること一年、胡人大いに塞に入る。
一年が経過し、胡の国が大群で国境付近へ攻め込んできた。

丁壮者引弦而戦、近塞之人、死者十九。
丁壮なる者、弦を引きて戦ひ、塞に近きの人、死する者十に九なり。
体の丈夫な者は弓を射て戦ったが、国境付近の者は10人中9人が亡くなった。

此独以跛之故、父子相保。
此れ独り跛の故を以つて、父子相保てり。
老人の息子だけは足の怪我のため、戦いに参加せず無事であった。

故福之為禍、禍之為福、化不可極、深不可測也。
故に福の禍と為り、禍の福と為る、化極むべからず、深測るべからざるなり。
このことから幸運が不幸へ変化し、不幸が幸運へ変化する。この変化は見極めることができず、そしてはかり知れないものである。

参考:国立国会デジタルコレクション

「塞翁が馬」を英語で言うと

塞翁が馬の英語表記
「塞翁が馬」を英語に直すと、さまざまな言い方をすることができます。

英語の言い換え①

Every cloud has a silver lining.
どんなに厚い雲があっても光はこぼれる
英語の有名なことわざで、よく使われるフレーズです。

silver liningとは、雲の後ろから指している日光のことを指します。

つまり、どんなに現状が真っ暗に思えても光は必ずあるといういみで「塞翁が馬」との類似表現だと言えます。

英語の言い換え②

Whatever will be, will be.
なるようになるさ
whatever:〜なものはなんでも
will be:将来存在するであろう

これを組み合わせると、「将来存在するであろうものはなんでも、将来存在するであろう」となります。

これを意訳することで、「なんでもなんとかなる」というフレーズが生まれました。

「塞翁が馬」は、悪いことが起こったときに次は良いことが起こよと言ういみで使われます。
なので言葉の持つニュアンスは「Whatever will be, will be」とほぼ同じであると言えます。

英語の言い換え③

Life is like a box of chocolates
1994年公開のアメリカ映画「Forrest Gump」に出てくる言葉です。

forrest

What’s my destiny, Momma?
ママ、僕の運命って何なの?

Ms.Gump

You’re gonna have to figure that out for yourself.
それは自分で見つけ出さなきゃいけないのよ。

Life is a box of chocolates, Forrest. You never know what you’re gonna get.
人生はひと箱のチョコレートなの、フォレスト。なにが起こるかなんてわからないの。

「人生万事塞翁が馬」とほぼ同じ内容を表しています。

人生をチョコレートにたとえていることから、人生の苦さ・甘さがうまく表現されています。

「塞翁が馬」を中国語で言うと

中国語塞翁失马
ピンインsài wēng shī mǎ
カタカナサイウェンシーマー
繁体字塞翁失馬

中国語では、「塞翁が馬を失う」という漢字を組み合わせています。
ことわざの意味は日本語と全く同じです。

MEMO
会話で使うときはこのようなフレーズで使います。
塞翁失马sài wēng shī mǎ焉知非福yān zhī fēi fú
塞翁が馬、この災が後に福となることは誰にもわからない

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