街中などで中国人観光客が話をしているのを聞くと「うるさい」とか「声が大きい」と感じてしまう時はありませんか?
そして、本人達はほとんどど気にしている様子もなく、それもあって中国人観光客や中国語を毛嫌いしてしまう人もいると思います。
実は、日本人は中国語をうるさく感じてしまいやすい気質なんです。
その理由を知ることによって、多少は中国語への抵抗が減ると思いますし「うるさい」という感情も薄れていくのではないかと思います。
この記事では中国人をうるさく感じてしまう理由と、どうしてもうるさい中国人に中国語で「静かにして」「黙ってよ」と伝える言い方を紹介します。

中国語がうるさいと感じる理由は?
なぜ日本人にとって中国語がうるさいと感じてしまうでしょうか?
理由を一言で表すと「中国人周りを気にせず大きい声で話すから」です。
しかし、それだけでは納得できないと思いますので、理由やその背景を解説していきます。 中国語がうるさいと感じる理由は主に3つあります。
- 口を大きく使う言語なので大きな声が出やすい
- 大きい声は良い事という教育や文化がある
- 人の目を気にしない人が多い
詳しく解説すれば、さらに理由はあるのですが、主にこの3つが中国語がうるさいと感じる理由となっています。 これから、一つずつ説明していきます。
中国語は日本語と発音構造に違いがある
まずは、中国語の発音構造に違いがあるのが大きな理由とされています。 中国語は日本語とは発音と発声の仕方が大きく異なり「速くて抑揚があり、音が高い」のが特徴です。
これって日本語とは真逆なんです。
なので、どうしても日本人にとっては中国語はうるさいと感じやすくなってしまうのです。特に高音は、日本人にはうるさく聞こえます。
中国語は抑揚(音声などで、調子を上げ下げすること)があることが美しいとされていますし、抑揚が無いと聞き取りづらくなってしまうのですから仕方ありません。
「中国人は普通に話をしていても喧嘩をしているように聞こえる」などと言われることもありますが、日本人は喧嘩になると「早口で抑揚が大きくなり声高になる」ことが多いので当然なのかもしれません。
このような中国語の発音構造を理解しておくだけで、中国語を聞いた時のうるさいというような感情もずいぶん薄れるのではないかと思います。
中国では大きい声は良い事という教育や文化がある
中国語がうるさいと感じやすいのは発音構造の特徴だけでなく、声の大きさ(ボリューム)も主な理由になります。
それもそのはず、中国では大きい声は良いことであるという教育や文化があるからです。子供は声が大きいほうが元気があって良いという価値観です。
それにより「公共の場では静かにしなさい」と言われる日本とは違い、公共の場で静かにするように注意されることも少なく育つので、公共の場でも大きい声で話す中国人が多いのです。
そして、中国社会では大きい声で発言しないと意見が通らないということも多く、自然と大きい声で話すようになります。
さらには、中国人は育った環境によって音への耐性があることも理由として考えられます。
中国の文化では新年の爆竹など、大きな音やにぎやかさはめでたいとされていますし、大人の会話も声が大きいのですから、小さい時から大きい音を聞き慣れていて、それにより音への耐性が強いのです。
音への耐性があるということは、周りの会話の声が大きくても「うるさい」と注意することも、注意されることも少なくなります。
人の目を気にしない人が多い
中国人観光客が中国語で話している際、こちらはうるさいと感じていても、本人達はほとんど人目を気にしていないように見えるんじゃないかと思います。
それもそのはず、日本人が見ず知らずの全くの他人の目も気にする人が多いのに対し、中国人は人の目を気にしない人が多く、そのことも中国語がうるさいと感じる一つの理由となるでしょう。
これには地理的・歴史的要因が大きいとされていて、日本は島国で、昔は生まれた土地で一生を過ごすことも多く、周りの目は重要になり、それにより人の目を気にする人が多いと言われます。
逆に中国は広大な土地で、次々と王朝が変わり、それによって国民はその度に国の様々な土地を移動してきました。
そういうことを繰り返してきた中国では、他人の目を気にするということはあまり重要ではないのではないかと言われています。 そのような国民性の違いもあり、中国人観光客が、殆ど周りを気にする素振りもなく、中国語で大きな声で話しているのはある意味自然ですし、周りを気にしやすい日本人にとっては「うるさい」と感じてしまうわけです。
中国語がうるさいときの伝え方
ここからは中国語がうるさいときの伝え方について書いていきます。 もし、中国人観光客など、中国人が多くいる環境に住んでいて、うるさいと感じる時にも、なかなか注意できなくて悩んでいるのでしたら、これから紹介する伝え方や言葉が役に立つかもしれません。
既に書いた通り、中国人は公共の場でも大きな声で話すのが普通なのですから、決して悪気がある訳ではありません。 中国人観光客は団体であることが多く、それによりうるさくなってしまいやすいという理由もあります。 最近では個人旅行者も多く、そういった方の多くは日本の文化を理解されていて、公共の場では静かにしたほうが良いことを知っています。
ですので、中国人観光客がうるさいと感じる場に遭遇したとしても、決して邪険にするのではなく、紹介した背景を理解し、おん便に対応しましょう。 丁寧に伝えることで、きっと理解してくれるはずです。
中国語で「うるさい」はなんて言う?
中国語で「うるさい」と言う場合は「吵(chǎo/チャオ)」という表現が一般的です。 日本語のニュアンスでは「騒がしい」という意味の「うるさい」に近いです。 実際に話す時には副詞の「很(hěn/ヘン)」を付けて「很吵(hěn chǎo/ヘン チャオ)」と言い「うるさい」という意味になります。 また「太~了(tài ~ leタイ~ラ)」という強調を付けると「太吵了(tài chǎo le/タイ チャオ ラ)」で「とてもうるさい」や「うるさ過ぎる」となります。
中国語で「うるさい」と伝える時の強い口調の言い方
ここでは強い口調や少し乱暴な言い方での中国語での「うるさい」の表現を紹介します。 子供や友達、家族など親しい仲の相手に使うケースが多いかと思います。
これはあまり使わないほうが無難ですし、決して中国人観光客に向けて言わないようご注意ください。 「闭嘴(bì zuǐ/ビーズイ)」は日本語で「黙れ」や「黙って」に近いかなり乱暴な言い方になります。
「吵死了(chǎo sǐ le/チャオ スーラ)」は直訳すると「うるさ過ぎて死ぬ」という意味で「うるさいなぁ」とか「ウザい!」に近い、やはり感じの悪い言い方です。
「你能安静点吗?(nǐ néng ān jìng diǎn ma/ニーノンアンジンディンマ)」で「ちょっと静かにしてくれる?」という意味です。若干ですが軽い言い方になります。

使い所には気をつけてね
中国語で「うるさい」と伝える時の丁寧な言い方
ここでは「うるさい」と中国語で伝える時の丁寧な言い方を紹介します。 もし中国人観光客に注意する場面があれば、これから紹介する言い方が実用的です。 「安静(ān jìng アンジン)」は「静かに」という意味となり簡単に覚えられて便利ですね。
「请安静一下(qǐng ān jìng yī xià チンアンジンイーシャァ)」とすると「静かにしてくれませんか?」や「静かにしてください」という言い方で、もっとも一般的です。
「请〜」は「~してください」という意味で丁寧な言い方になります。 「请你声音小一点(qǐng nǐ shēng yīn xiǎo yī diǎn チンニーションインシャオイーディエン)」は「声を小さくしてください」という意味で、中国人観光客に注意する時にも便利な言い方かと思います。
まとめ
以上、中国語がうるさいと感じる理由や、うるさいときの伝え方を紹介しました。 しっかりとした理由を知ると、不思議と中国語が「うるさい」という概念や感情も薄れたのではないでしょうか?
そして「うるさい」という伝え方や言い方を覚えておけば、今後中国人の団体観光客など、実際にうるさいと感じて困った時も対応できると思います。
ただし、日本人が気にし過ぎな面もあると思われますし、できる限りは中国語がうるさいと感じても寛大に振る舞いたいものです。