漁夫の利(ぎょふのり)の由来と使い方をイラストで解説

yuki

「漁夫の利」の読み方は「ぎょふのり」、意味は「当事者が争っている間に第三者が得をすること」です。

この記事では、「漁夫の利」の由来と使い方を詳しく紹介します。

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「漁夫の利」の意味と由来

「漁夫の利」の正しい言葉遣いをマスターしましょう。

読み方と意味

ことば漁夫の利
読みかたぎょふのり
意味当事者が争っている間に第三者が得をすること

「漁夫の利」の由来

「漁夫の利」は燕策が用いた例え話が由来とされており、そのエピソードは『戦国策』に記されています。

戦国時代、趙が燕を打ち負かそうとたくらんでいました。

燕に重用されていた蘇代という縦横家(中国古代の思想家、外交の策士として各国の間を行き来した人たちのこと)が、趙の恵文王のところに言ってこう説きました。

その時、燕に重用されていた蘇代そ だいという人が、趙の恵文王けいぶんおうのところに言ってこう説きました。

蘇代

王様、聞いてください。

「今回こちらに来る途中、易水えきすいという川を渡りました。
その川には、シギという鳥がいました。

シギはハマグリを見つけ、食べようとしましたが、ハマグリはそこで反撃に出ました。

なんと、ハマグリはシギのくちばしを挟みこんで、そのままぴたりと口を閉じてしまったのです。

漁夫の利のエピソード

シギ:『このままずっと耐えていれば、水がなくて死ぬのはお前のほうだ』

ハマグリ:『そっちこそ、このまま耐えられるのかな?』

両者はお互いにまったく譲りません。

すると、なんと運の良いことでしょう。

そこに通りかかった漁師が、シギとハマグリが争っているのを見つけました。

漁夫の利のエピソード

シギもハマグリもお互い争いに夢中で、漁師の存在にまったく気づきません。

ついに漁師はシギとハマグリの両方を捕まえて、ワクワクしながら持ち帰ってしましました。

蘇代

今の我が国の状況はまさにこれに近いです

今、趙は燕を討とうとしていますが、

燕と趙が争って民が疲れ果ててしまうと、強大な秦が乗りだしてきて、漁夫の利を得てしまうのではないですか?

どうか大王様、ここはぜひともよくお考えください」

なるほど、それは一理あるな。

こうして趙は燕を攻めないことに決めました。

このストーリーが由来となって、「漁夫の利」という故事成語が生まれました。

発祥起源

漁夫の利の起源
「漁夫の利」の由来となるエピソードは中国の戦国時代(紀元前403年~紀元前221年)に起こりました。

「漁夫の利」が記されているのは『戦国策』という書物です。

この書物は前漢(紀元前206年~8年)の時代にに劉向が編纂したもので、以下の内容が記されています。

戦国時代の遊説家の提案を国別に分類し、まとめ上げた書物のことです。
遊説家とは、もともと平民だったけど、知識をつけて、政策へアドバイスするようになった人たちのことです。

「漁夫の利」の使い方・例文

漁夫の利は、「漁夫の利を得る」というフレーズでよく使われます。

yuki

昨日は夜にテレビ見れたの?
うん、本当はダメだったんだけどね

お父さんとお母さんがどの番組を見るかで喧嘩してたから、その間は私が好きな番組見れちゃったんだ

yuki

それはよかった!漁夫の利を得たね
前回の選挙では、有力候補と言われた二人がお互いの悪口を言い合っていたため、全くの無名の新人が漁夫の利を得て当選した。
友達が自分と同じ人を好きだと知って、どっちが先に告白するかを喧嘩しているうちに、漁夫の利で後輩が先輩と付き合ってしまった。

「漁夫の利」の類義語

「漁夫の利」の類義語は以下の3つがあります。

  • 犬兎の争い
  • 田父の功
  • 濡れ手で粟

「漁夫の利」の類義語①犬兎の争い

言葉犬兎の争い
読み方けんとのあらそい
意味両者が争って共に弱り、第三者に利益を横取りされることのたとえ

「漁夫の利」の類義語②田父の功

言葉田父の功
読み方でんぷのこう
意味争っているもの同士が両方とも倒れて、その争いとは関係ない人が利益を得ること。「田父」は農夫のこと

「漁夫の利」の類義語③濡れ手で粟

言葉濡れ手で粟
読み方ぬれてであわ
意味濡れた手で粟をつかめば粟粒がたくさんついてくるように、苦労をせずに多くの利益を得ること。やすやすと金もうけをすること

「漁夫の利」の漢文と書き下し文

それでは、「漁夫の利」の漢文を見ていきましょう。

「漁夫の利」の白文

漁夫の利の漢文
引用:『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

「漁夫の利」の書き下し文

>>読み飛ばす

趙且伐燕。
まさに燕を伐たんとす。
趙はまさに燕を討とうとしていた。

蘇代、爲燕謂惠王曰、
蘇代、燕の為に惠王に謂ひて曰はく、
蘇代は、燕のために趙の王である惠王に次のように言った。

「今者臣來過易水。
「今者臣来たりて易水を過ぐ。
私がここに来る時、易水を通って来た。

蚌正出曝。
蚌方に出でて曝す。
ハマグリがちょうど水面から出て日向ぼっこをしていた。

而鷸啄其肉。
而してしぎ其の肉を啄ばむ。
そしてシギがその肉をついばもうとした。

蚌合而箝其喙。
蚌合して其の喙を箝む
ハマグリは貝殻を閉じて、シギのクチバシを挟んでしまった。

鷸曰、
鷸曰く、
シギは次のように言った。

『今日不雨、明日不雨、即有死蚌。』
『今日雨ふらず、明日雨ふらずんば、即ち死蚌有らん』と。
「今日雨降らず、明日も雨が降らなければ死ぬのはハマグリの方だ」と。

蚌亦謂鷸曰、
蚌も亦鷸に謂ひて曰はく、
また、ハマグリのシギに対して次のように言った。

『今日不出、明日不出、即有死鷸。』
『今日出でず、明日出でずんば、即ち死鷸有らん』と。
「クチバシが今日も明日も出なければ、死ぬのはシギのほうだ」と。

両者、不肯相舎。
両者、相舎つるをがえんぜず。
両者とも互いに離すことを許さなかった。

漁者得而并擒之。
漁者得て之を并(あは)せ擒(とら)ふ。
その時、1人の漁師がこの2匹を合わせて獲ってしまった。

今趙且伐燕。
今趙まさに燕を伐たんとす。
趙は今まさに燕を伐とうとしている。

燕趙久相支、以敝大衆、臣恐強秦之爲漁父也。
燕と趙久しく相支へ、以つて大衆をつかれしめば、臣強秦の漁父と為らんことを恐るるなり。
燕と趙が長い戦いをしているうちに校区民が疲れ切って仕舞えば、たちまち強国の秦が漁夫の利を得てしまうだろう。

故願王之熟計之也。」
故に王の之を熟計せんことを願ふなり。」と。
そのため、王様は燕への侵略をよくお考えいただきたい。

惠王曰、
惠王曰わく、
趙の王である惠王は次のように言った。

「善。」
「善し。」と。
「わかった」

乃止。
乃ち止む。
そして、趙は燕に攻め入ることをやめた。

引用:『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

「漁夫の利」を英語で言うと

「漁夫の利」の英語表現は次の2つが挙げられます。

  • Two dogs fight for a bone and the third runs away with it.
  • A third party makes off with the profits.

「漁夫の利」の英語表現①

Two dogs fight for a bone and the third runs away with it.
「二匹の犬が一本の骨のために争い、第三の犬がその骨を持って逃げる」という意味です。

先ほどのエピソードでの登場物人が犬になったバージョンですね。

「漁夫の利」の英語表現②
A third party makes off with the profits.
「第三者が利益を持ち去る」という意味です。

当事者2名が争っている間に第三者が利益を得る、という「漁夫の利」と非常に近いニュアンスを持っています。

「漁夫の利」を中国語で言うと

「漁夫の利」の中国語フレーズは、2つあります。

  • 渔翁得利
  • 鹬蚌相争
中国語渔翁得利
ピンインyú wēng dé lì
カタカナユーウェンドーリィ
中国語鹬蚌相争
ピンインyù bàng xiāng zhēng
カタカナユーバンシャンジェン

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