呉越同舟(ごえつどうしゅう)の由来と使い方を詳しく解説

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の由来と使い方を詳しく解説

yuki

「呉越同舟」の読み方は「ごえつどうしゅう」、意味は「仲の悪いもの同士が協力していること」です。

この記事では、「呉越同舟」の由来と使い方を詳しく紹介します。

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プロフィール

福岡県出身、東京都在住
YouTube、SNSを使って中国語を学ぶ。weiboでは半年で1000件以上のコメントのやり取りをし、独学のスタイルを確立。その後本格的に勉強をはじめ、中検2級一発合格、HSK6級223点取得。2019年上海へ留学し、中国語と中国文化を学ぶ。
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「呉越同舟」の意味と由来

「呉越同舟」の正しい言葉遣いをマスターしましょう。

読み方と意味

ことば呉越同舟
読みかたごえつどうしゅう
意味仲の悪いもの同士が協力していること

「呉越同舟」の由来

「呉越同舟」の由来は『孫子』に記されています。

春秋時代、呉と越の2カ国は仲が悪く、いつもいつも戦いをしていました。

ある日、呉と越の国境にある川の渡し船に、呉の国の人と越の国の人が乗り合わせてしまいました。

さすがにこの状況は気まずく、かといってそこで戦いを始めるわけにもいかず、お互いに距離をとって船に乗り込みます。

双方はお互いを無視し、船内には重い空気が流れていました。

呉越同舟の由来

そんな両者の雰囲気が天に伝わってしまったのか…ここで、とあるハプニングが起こります。

船が川の真ん中あたりに差し掛かったころ、急に空が真っ暗になり、激しい暴風雨が起こったのです。

船は激しくゆられました。

呉の子どもが恐怖で泣き叫ぶわ、越の老人が船の上で転ぶわ、船の中は大変な騒ぎになります。

これはまずい…!

船頭は必死に舵を取りながら船倉に入るよう、みんなに大声で呼びかけました。

若い水夫が二人、帆を下ろそうと帆柱ほばしらへ駆け付けます。

しかし船は波風に激しく揺られどうしても縄がほどけません。

船が転覆してしまうか、、、というその時

みんな、協力しよう!

なんと、仲の悪いはずの呉と越の人たちが協力して、船の帆を下ろし、暴風雨から船を守ったのです。

呉越同舟のエピソード

しばらくして渡し船の帆はすべて下ろされ、激しく揺れていた船は落ち着きを取り戻しました。

呉と越がいつまでもこのように仲睦まじかったらどんなに良いだろうか

船頭さんは、協力する呉越の姿を見てそう呟きました。

このエピソードから、仲の悪いものが協力して問題解決に臨む姿を「呉越同舟」というようになりました。

発祥起源

呉越同舟の期限
「呉越同舟」の由来となったエピソードは春秋時代(紀元前771年~紀元前476年)に起こりました。

「呉越同舟」が記されている『孫子』は春秋時代の軍事思想家・孫武が著したと言われる兵法書のことで、紀元前5世紀~4世紀頃に成立したと考えられています。

「呉越同舟」の使い方・例文

「呉越同舟」は四字熟語としてそのまま使用されます。

ちょっと聞いて、今度バイトのシフトでね、大嫌いなT君と一緒になっちゃったの

yuki

うわ〜それは気まずそう
しかもその日予約いっぱいで、超大変なのよ

yuki

仕方ないよね。そこは呉越同舟でがんばってね
このような緊急事態では仲違いしていても仕方がない、呉越同舟で乗り越えよう
営業チームAとBはいつもお互いをライバル視して睨み合っているが、今日は新商品開発のために呉越同舟、協力している。

「呉越同舟」の類義語

「呉越同舟」の類義語は以下の3つがあります。

  • 楚越同舟
  • 同舟共済
  • 大同団結

「呉越同舟」の類義語①楚越同舟

言葉楚越同舟
読み方そえつどうしゅう
意味互いに仲が悪い人たちや、互いに敵対関係にある人たちが同じ場所にいたり、同じ境遇にあること

「呉越同舟」の類義語②同舟共済

言葉同舟共済
読み方どうしゅうきょうさい
意味様々な個性を持つ者が同じ舟に乗って共に川をわたること。現在上海市にある同済大学の名前の由来となった故事成語。

「呉越同舟」の類義語③大同団結

言葉大同団結
読み方だいどうだんけつ
意味複数の党派や団体が、ある目的のために、主張などの少しの違いは問題としないで力を合わせること

「呉越同舟」の漢文と書き下し文

それでは、「呉越同舟」の漢文を見ていきましょう。

「呉越同舟」の白文

呉越同舟の漢文
引用:『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

「呉越同舟」の書き下し文

>>読み飛ばす

善用兵者、譬如率然。
く兵を用うる者は、たとへば率然そつぜんのごとし。
うまく軍隊を率いる者とは、例えるならば「率然」のようなものである。

率然者、常山之蛇也。
率然そつぜんは、常山の蛇なり。
「率然」とは、常山という山に住む蛇のことである。

撃其首則尾至、撃其尾、則首至、
其の首を撃たばすなわち尾至たり、其の尾びを撃たば則ち至たり、
その蛇の首を攻撃すれば尻尾が反撃を行い、尻尾を攻撃すれば頭から反撃が飛んでくる。

撃其中、則首尾倶至。
其の中を撃たば則ち首尾ともに至たる。
だからと言って胴体を攻撃しようものなら、頭と尻尾の両方から攻撃を喰らう。

敢問、兵可使如率然乎。
えて問う、兵は率然そつぜんのごとくならしむべきか、と。
ここであえて問おう。「軍隊を率然のように鍛え上げることができるのか」と。

曰、可。
曰いわく、可かなり。
それに答えてこういった。「可能である」

夫呉人與越人相惡也。
れ呉人と越人と相悪あいにくむ。
「そもそも呉の国の人間と越の国の人間はお互いのことを憎み合っているが、

當其同舟而濟、遇風、其相救也、如左右手。
其の舟を同じくしてわたるに当たりて、風に遇わば、其の相救あいすくうや、左右の手のごとし、と。
彼らが同じ船に乗って川を渡ろうとした時に嵐に見舞われたならば、お互いに助け合うその様子はまさに左右の手のような関係だろう」と。

引用:『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

「呉越同舟」を英語で言うと

「呉越同舟」には、2つの英語の表現があります。

  • Bitter enemies in the same boat
  • Friend and foe in the same boat

「呉越同舟」の英語表現①Bitter enemies in the same boat

「Bitter enemies」とは、犬猿の仲、ともいうべき一生のライバルのことを指します。

そして「in the same boat」は「同じ船の中」ですね。

つまり「Bitter enemies in the same boat」の意味は、「強敵が同じ舟に乗る、転じて呉越同舟」となります。

このフレーズは有名なので、「bitter enemies」だけで呉越を表すこともよくあります。

「呉越同舟」の英語表現②Friend and foe in the same boat

「foe」とは、敵を表す英単語です。

つまり「友だちと敵が同じ船に乗っている」という状況を指します。

これが「敵味方が同じ舟に乗る」という意味になり、転じて呉越同舟を表すようになりました。

「呉越同舟」を中国語で言うと

中国語吴越同舟
ピンインwú yuè tóng zhōu
カタカナウーユエトンジョウ

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